さてTFT徹底解説、前回までのお話はこちら。
基本的なTFTの考え方についてのお話をしています。
さて今回は若年層のヒアルロン酸治療についてお話しして行きます。
若年層というのは20〜30代くらいの方をイメージしていますが、絶対的に年齢で括られているわけではなく、大きくたるんではいないくらいの世代をイメージしてください。
顔のバランスが気になる人や、あるいはたるんでないのにたるんで見える人に対する治療です。
それでは早速参りましょう〜
若年層のためのTFT Q&A
Q1. 若いうちからヒアルロン酸を入れる意味ってあるんですか?
ヒアルロン酸=老化を止めるためのもの、というイメージを持たれがちですが、TFTはアンチエイジングだけのための治療ではありません。
綺麗な人をより美しくする“beautification(ビューティフィケーション)”の要素も含まれています。
たとえば、たるみによって減ったボリュームを補うのがアンチエイジングなら、
若年層へのTFTは、もともと骨格的に小さかったり、凹凸のバランスが気になる部分を整えていくことで、“骨格美人”に近づける治療です。
自然な印象のまま、顔立ちを洗練したい。そんな方にも、TFTはとても有効です。
Q2. 明確な悩みがなくても、TFTは受けられますか?
そういった方は実はとても多いです。もちろん、TFTは受けられます。
「何をどうしたらいいかわからないけど、垢抜けたい。綺麗になりたい。可愛くなりたい。」––そんな気持ちがある方にこそ、TFTはぴったりです。
理想像と現在のお顔を照らし合わせて、その人に必要なポイントを整理し、提案するのが私の仕事です。
もし「どうなりたい」がうまく言葉にできない場合は、なりたい雰囲気の人の画像などを見せていただけると、それをヒントにご提案できます。
Q3. 若いうちにヒアルロン酸を入れると、皮膚が伸びてたるみやすくなるって聞いたんですが…
たしかに、皮膚がパンパンになるような入れ方をすれば、将来たるみにつながる可能性もあるかもしれません。
でも、TFTはそうした「ふくらませる注入」では行いません。
TFTでは顔の深い部分、たとえば骨や深い脂肪層など、皮膚から離れた“支えの土台”に注入していくので、皮膚を引き延ばしてしまうような心配はほとんどありません。
また、それと別に、たるみは年齢とともに誰にでも起こる自然な変化です。ヒアルロン酸を入れている人も入れていない人も平等にたるんでいきます。
TFTにおいては、ヒアルロン酸を入れたことで将来たるみやすくなる、という心配は基本的にしなくて大丈夫です。
以上、若い方のTFT Q&Aでした。
それでは症例写真を見て行きましょう。
若年層TFT症例写真
全体に5ccの治療をしています。
治療前は頬の影はややきつい印象を感じますが、ふっくらしたことによって女性的な柔らかさが出ています。
その一方で柔らかい印象であった輪郭をシャープにキュッと引き締めることで、柔らかさとシャープさを兼ね備えた、洗練された美しさが際立っています。
輪郭を中心に5ccの注入しました。
痩せやすい人は脂肪が少なく、つかれている、やつれているといった印象をもたれやすいことが特徴です。TFTの基本は骨格矯正ですが、この方の場合は骨格は保たれているけれど脂肪の痩せが顕著であるため、脂肪層を中心に治療をしていく必要があります。
こめかみと頬骨下エリアを優先的に治療しリフトアップした上で、最小限の量で目の下の注入をしています。
すでに整っている方ですが、「ふっくらとした可愛さ」をゴールとする場合は治療できる余地が増えます。もしこの方が「シャープな綺麗さ」を希望された場合には治療プランは大きく変わります。そして「ふっくらとした可愛さ」を目指していても、単純に大きくするのではなく斜めから見た時のスッキリ感はしっかりと残しておくことで、膨らむだけではない治療をすることができます。
少し番外編ですが、元々ニキビ跡の治療をされていた患者さんに対してニキビ跡の治療のためにリフトアップをしました。
一見関係のない治療に見えますが、毛穴やニキビ跡などの皮膚がよれて悪化する部類の悩みに対しては骨格からリフトアップすることで、改善することが見込まれます。ニキビ跡による影感が減ることによって顔色も明るくなった印象です。
額を含めた全体に10ccの治療をしています。
中顔面下顔面の可愛らしい丸みに対して上顔面は少し寂しげに見えます。小顔の友達の横に並びたくないのと同じで、痩せている近くのエリアは大きく見えます。上顔面の痩せを治療することで全体のまとまり感が出てスッキリします。中下顔面は元々持つボリュームを有効活用しながら部分的に痩せ部分を整え、さらに立体的な頂点を顔の中に仕込むことでメリハリが出て、ふんわりかわいい印象の中にもスッキリとした印象が出てきます。
骨の痩せが少ない分、効果を感じるまで必要な量が少なめになるのが若年層の治療の特徴です。
こんなに整っているのに?という人にも、全体の印象を変えずに治療をすることができます。