前回のお話はこちら。
ヒアルロン酸TFTを徹底解説!

前回はTFTってなに?というところから全体のバランスを考えることの重要性、そして症例写真の見方について見ていきました。

今回は老化について触れていき、なぜヒアルロン酸でたるみの治療ができるのか、実際の治療の決め方についてお話ししていきます。

それでは早速参りましょう〜

アンチエイジング層のためのTFT Q&A

 

Q1. 年齢を重ねると、顔はどんなふうに変化していくんですか?

年齢とともに、顔のボリュームは少しずつ減っていきます。ある研究では、20代から80代までの間に、骨・脂肪・真皮などの組織から、合計で何百ccものボリュームが失われることが示されています。

中身が減っていく一方で、それを包んでいる皮膚は少しずつ薄く、そして伸びていくため、“中はしぼみ、外は余る”という状態になります。

若い頃はパンとハリのあった顔も、年齢とともにしぼみながら、ゆるんでいく––それが老化による見た目の変化の正体です。

 

Q2. 減ったボリュームを戻すだけで若く見えるんですか?

ただボリュームを足すだけでは、自然な若返りにはなりません。

大切なのは、「どこに、どれだけ、どの順番で足すか」ということです。

TFTでは、まず顔の“土台”である骨格に注目します。年齢とともに骨が痩せ、脂肪や皮膚を支えきれなくなることで、たるみが生じます。

そのため、最初に整えるべきは骨の形。そこに支えができることで、上に乗る脂肪や皮膚も自然な位置に戻ってきます。

実際脂肪だけを足すと、不自然な膨らみに見えてしまうことが多いです。

顔の構造に合わせて、必要な層に必要な量を補うこと。それがTFTの自然な若返りです。

 

Q3. どのくらいの量を入れると効果が出るんですか?

必要な量は、その人のお顔の状態だけでなく、「どれくらい変わりたいか」によっても変わります。

カウンセリングでは患者さんごとにアセスメントを行い、たとえば「15ccで−7歳」といった目安を提示します。

この量は「あなたが-7歳くらい若返るには15ccくらい必要です」という意味です。

そして重要なことは、この“15cc”はあくまで目安であって、絶対に必要な量ではありません。

たとえば、-2〜3歳くらいの変化を希望されている場合には15ccは多すぎますし、逆に-10歳の印象を目指している方には足りないこともあります。

つまり、「必要な量」は人それぞれ。そして、その人が目指す変化によっても変わってくるのです。

その中の一つの判断基準として「15ccで−7歳」という目安をお伝えしています。

 

Q4. どんなふうにして治療の内容や量を決めていくんですか?

たとえば、「15ccで-7歳くらい若返る」というアセスメントがあったとします。

この場合、もし-7歳の印象を目指すのであれば、アセスメント通りに15ccの治療を行うのがひとつの選択肢となります。

ただ、-7歳の変化というのはそれなりに強い印象変化になります。

一緒に暮らすご家族など、身近な人には気づかれる可能性もあります。

そういった変化に対して不安がある場合は、2回、3回に分けて少しずつ治療を進めていくこともできます。

1回あたりの注入量を抑えることで、変化の幅も控えめになります。

つまり、“バレにくく”、でも着実に変化していくことができるのです。

同じ量であれば、分けて治療しても一気に治療をしても、最終的には同じ顔にたどり着きます。

そして、実際に治療に進むときには、「量」と「治療したいポイント」を決めていただきます。

たとえば、1ccでほうれい線、3ccでフェイスライン、5ccで全体的に。といった風にオーダーしていただきます。

それさえ決まれば、あとは私がそのご希望に一番効果的な形で注入していきます。

 

Q5. たくさん入れると不自然になりませんか?

「不自然に見えるのでは?」という不安はとてもよく聞きます。

でも実は、不自然さの原因のほとんどは“量”ではなく、“バランスの悪さ”です。

たとえば、顔の一部だけに注入してしまうと、「そこだけ若い」「そこだけふくらんでいる」といった違和感が生まれます。

一方で、TFTのように顔全体のバランスを見ながら注入すると、不自然にはならず、むしろ「何かが変わったけど、どこが変わったのかわからない」という自然な仕上がりになります。

ただし、どれだけ顔のバランスが整っていても、人は“顔だけ”で他人を見ているわけではありません。

たとえば、60代の方が治療によって40代の顔を手に入れても、服装や髪型が60代のままだと、そこにアンバランスが生まれます。

つまり、不自然に見える原因には2つあります:

1. 顔の中でのバランスのズレ(これは注入の技術で整えられる)

2. 全体の印象におけるバランスのズレ(服装・髪型など、顔以外の要素)

TFTでは①をしっかりコントロールした上で、②も必要に応じてアドバイスすることで、全体として自然で美しい若返りを目指します。

 

それでは症例写真を見て行きましょう。

アンチエイジング症例写真

 

  

 

額を含めて全体的に10cc注入しています。
全体的に下がった印象、たるんだ印象が、重心が上がってハリのある元気な印象になっています。
ほうれい線がなくなったわけではないものの、ほうれい線の横の影が半分くらいになり、チークトップが下がったのが上に上がっています。
眉上の凹みは意外と他人から見て老けた印象を与えたやすいので、丸く繋げることで若々しい印象に変化します。

 

 

下顔面を中心に5cc注入しました。
マリオネットラインやフェイスラインの影が少なくなり、ぼやけていた輪郭がつながったことで引き締まった印象です。中顔面と下顔面のボリューム感を整えることで重心が自然に上がりました。
患者さん自身の持つ知的な印象が際立つ仕上がりになりました。

 

今回はTFTにおいて最も需要のあるアンチエイジングについて解説をしていきました。

いろんな世代で比較をすることで変化の出方のイメージにもつなが思います。

 

次回は若年層向けのものになります◎