こんにちは松元です
最近ブログの更新もゆっくりとなっていますが
ふと何か降りてきて、これは伝えなければ!!みたいな使命感に襲われる.
みたいなことがちょくちょくあります.
今日は結構キャッチーなタイトルですが、お付き合いください.
金ドブと言われる治療は、本当に意味がないのか?
SNSや口コミで「それ金ドブだよ!」なんて言葉を見たことはありませんか?
金ドブ=お金をドブに捨てるようなもの。
よく取り上げられるFGFのような危ない美容医療とはまた別で、
「意味がない施術」というニュアンスで使われることが多いと思います。
でも、本当に意味がない施術なんてあるのでしょうか?
もし本当だとしたら、そんな金ドブ治療が世に出回っていて良いのでしょうか?
効果が“わかりにくい”施術は確かにある
よく金ドブと揶揄される施術でも、全く効果がないわけではありません。
体の中に入ったり熱を加える以上、何かしらの変化は必ず起こっています。
ただし、その変化がわかりやすいかどうかは別問題です。
例えば脂肪溶解注射。
きちんと回数を重ねれば効果は出ますが、週1回を8回以上通うとなると継続できない人も多い。
デバイス治療も、1回で終了するものは少なく、続けることで結果が出るものがほとんど。
そもそも“回数を重ねる“という前提があるはずなのに、結果が出るまで続けられないと
「意味がなかった、金ドブだった」と捉えられてしまいます.
気をつけてほしい、「金ドブ」は主観的な言葉
患者さん目線で言えば、「自分が思っていた効果に至らなかった=意味がなかった」という気持ちは事実であり、その発言自体を否定するつもりはありません。
でも、それはあくまでその人のケースであって、万人にとって金ドブになるとは限らないのです。
一方で、ドクター自身がこんな治療は金ドブ!と発信している場合もあります。
これも同じく、そのドクターの主観によるものです。
例えば日々脂肪吸引を行っているドクターからすれば、脂肪溶解注射は回りくどく遠回りに感じるでしょう。
ですが全員が全員、手術に踏み切れるわけではありません。
体への負担を避けたい、仕事の都合でダウンタイムを取れない、予算を抑えたい…
患者さんは生活の中で美容医療を選択しています。
効率は悪くても、注射だけで何とかしたいという心理は、施術者として理解すべきだと思います。
もちろんカウンセリングではどちらが効率的かはお伝えして、納得した上で治療を選択していきます。
本当に金ドブだと思うのはこんな時
以上の背景から、SNSでよく耳にする“金ドブ”という言葉に対しては、あまり気にしなくていいと私は思います。
そもそも普通の倫理観を持った医療者であれば
健康な人の体内に異物を入れる、侵襲を加えるとなれば、効果が望まれるものしか採用しません.
世に発信されている金ドブは全て主観的なものであって(※個人の感想です)と常に注釈をつけておいた方が良いと思います.
しかし一つだけ、私が本当に金ドブだと思うケースがあります。
それは、医師の診断なく行われる治療です。
より具体的にすると、患者さんの理想に近づくための提案ではなく、「顧客が欲しがるから与える」だけの治療。
我々は欲しがっているから与えるのではなく、患者さんにとって必要な治療を提案しなくてはいけません。
そのために重要なことが、診断です。
患者さんにとって必要のない治療を、欲しがるから与えて、その結果思うように結果が出ない。
このようなケースは結構多いのではないでしょうか。
欲しいものを与えるという行為は、その場では満足してもらえますが
続けていても患者さんが満足する結果には至らないことも多く、
その結果、施術者やクリニックの信頼や評判も落とすことがあります。
欲しがるからレーザーの説明をする、ヒアルロン酸の合併症の話をして注入する.
それはただの“レーザー説明屋さん”や“注入屋さん”になってしまう。
そんなものは医療ではないと私は思います。
大前提として「診断」、その次に「提案」
1つの治療をとっても、患者さんにとって意味のある治療になるかどうかは
その方の希望する方向性、目的に合わせた診断と
その人の許容できるもの、できないものが考慮された提案があってこそ成立します。
「金ドブだ」と言われる施術も、ある人にはベストな選択肢になり得ます。
そんなキャッチーな言葉には惑わされないで、目の前のドクターの言葉を信用してほしいと思っています。
ちゃんと自分のことを考えているかどうかは、実際に会ったらわかるはずです。
それではまた
最近栄のスタッフが服を撮ってくれて嬉しいです◎